新型コロナウイルス感染者の一部で症状が長期化する問題を巡り、製薬会社や研究者らの間で治療薬の臨床試験に踏み切る動きが出てきた。症状が長期化する患者は若く、それまでは至って健康で、感染しても入院しなかった人が多い。頭がぼんやりとする症状や、極度の疲労、息切れなどが何カ月も続き、通常の生活に戻れないケースが多いとされる。これまでは詳細な原因が分からず、治療法もほとんど存在していなかった。症状の長期化に関する医師らの理解はまだ浅く、患者数の推計もまちまちだ。だがこれまでの研究結果では、コロナ患者の少なくとも1~2割は症状の長期化に苦しんでいることが分かった。こうした中、製薬会社の間では、別の疾患に開発していた治療薬を転用し、治験を申請・実施するといった動きが広がっている。例外的使用を申請した患者に投与しているケースもある。
コロナ治療薬、長期患者向け治験広がる
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