世界の半導体大手は競争上の脅威の高まりに直面している。大口顧客がクラウドコンピューティングや人工知能(AI)といった急成長中の分野に合わせた独自の半導体を作り始めたためだ。半導体製造は長らくインテルやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、画像処理半導体(GPU)のエヌビディアといった大手専業メーカーの独壇場だった。しかし今や、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト、グーグルがこのゲームに参戦し、性能向上やコスト削減を目指している。業界の勢力バランスが変わったことで、従来の半導体メーカーはこれまでよりも主要顧客に特化した半導体を作るなどの対応を迫られている。アマゾンは今月、AIの機械学習モデルをスピード化したとする新たな訓練用チップを発表した。同社はすでにクラウドコンピューティング部門「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」向けにCPU(中央演算処理装置)の独自設計なども行っている。