憤慨する社長に慌てる社労士、見解は?

 次の日の朝、A子の携帯にB社長からメールが届いていた。

「A子様。来週の後半に病院でPCR検査を受け、陰性であれば1月18日から出勤してください。その際は陰性であることを証明する書類を持参してください。ちなみに再度お伝えしますが、出勤停止中の給料は無給となります」

 A子はすぐにCから受けたアドバイスに加え、明日労働基準監督署で相談してきますと返信した。その後、B社長からの連絡はなかった。

 A子からの返信メールを読んだB社長は立腹した。

「労働基準監督署に相談だと?会社の自粛要請に違反して帰省したのはそっちじゃないか。クビにならないだけマシだと思え!」

 そして怒りにまかせてD社労士に電話で「すぐ会社に来てほしい」と頼んだ。

 その日の夕方、B社長は来訪したD社労士にA子の件についての詳細を怒濤のごとくしゃべりまくった。そして一通り話し終えると聞いた。

「本当はクビにしたいくらいですが、いくら何でもそれはやりすぎなので考えてません。しかし出勤停止扱いにするのはかまいませんよね?」

 D社労士は慌てて言った。

「ちょっと待ってください。今回の件で、A子さんが会社の自粛要請を守らなかったことに対して注意するのは良しとして、懲戒処分にするのは難しいですよ」
「どうしてですか?」