ICT技術を存分に活用してデータをリアルタイムで集め、公開することで透明性を担保し、ワクチンに対する疑念やデマを払拭する方法は、非常に有効と期待されている。

未知その2:
開発されたワクチンは変異種にも効くのか?

 昨年末に急浮上した、英国で見つかった変異種の問題。12月13日に最初に確認されて以来、ロンドンとイングランド南東部で急速に拡大した。12月中旬時点で、ロンドンで見つかった感染者の約3分の2近くは変異種によるものと報じられている

 イタリア、オランダ、デンマーク、オーストラリアでも、英国からの入国者から変異種が見つかった。12月20日時点で、アイルランド、ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、ベルギーは、英国との航空便を全て停止している。

 同19日に記者会見したジョンソン英首相は、この変異種は従来種と比べて感染力が最大1.7倍だと発表した(インペリアル・コレッジ・ロンドンのエリック・ヴォルツ博士の見解に基づく)。

 ここで気になるのは、変異種にも今回開発されたワクチンが効くかどうかだろう。

 英国公共放送BBCは、「新型ウイルスのワクチンは、ほぼ確実に効く。少なくとも現時点では」としている。ワクチンが免疫システムを訓練し、ウイルスの複数の部位を攻撃できるようにするため、ウイルスの一部が変異しても効果を発揮するはず、という。

 22日には、ファイザーとワクチンを共同開発した独ビオンテックの最高経営責任者も、「科学的には、このワクチン接種で得られる免疫応答で、変異種にも対応できる可能性は非常に高い」(AFP通信)と明言。また、必要ならば変異種に特化したワクチンを6週間以内に開発することも可能だとした。

 ただ、「さらに変異が進めば、ワクチンの有効性は揺らぐ」というのが専門家の一致した見方だ。

 英ケンブリッジ大学のグプタ教授はBBCに対し、「このウイルスは、ワクチンから逃げ延びる過程にあるのかもしれない。それに向けて、最初の数歩を進んだところだ」とコメント。英グラスゴー大学のデイヴィッド・ロバートソン教授も、「新型ウイルスはおそらく、ワクチンから逃れる変異をするだろう」としている。

 現状、日本は英国からの入国を禁止している。ただし、入国制限のないオーストラリアなどを経由するなど、日本への「抜け道」はいくらでもある状態だ。

 とはいえ必要以上に怖がる必要はない。