英国が2016年の国民投票で欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット)を決めてから、同国政府はその目的について、主権――自国の利益になるように自国のルールを定める能力――を取り戻すためだと訴えてきた。英国が最も望んでいるのは「主権と自治において対等なもの同士の、時代に即した自由貿易協定」――。今年、英国・EU間で今後の経済関係についての交渉が始まると、英国側の交渉責任者のデービッド・フロスト氏はこう述べた。主権とは自国民にのみ責任を負い、その他は考慮せずに決定を下すための国家機構としての独立性を指す。しかし主権は平等とイコールではなく、国際関係においては他国の目指すところを考慮しなければならない。
EU離脱の英国、「主権回復」ままならぬ現実
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