1兆円のムダ!ホリエモンが考える日本の医療費を劇的に下げる唯一の方法写真はイメージです Photo:PIXTA

日本の国民医療費は50兆円に迫り、うち約1兆円は市販薬とほぼ同じ成分の“OTC類似薬”に使われている。堀江貴文氏は、この構造こそ医療費を膨らませるボトルネックだと指摘する。国の医療リソースを適切に振り分けるために必要な視点を解く。※本稿は、実業家の堀江貴文『日本医療再生計画 国民医療費50兆円時代の提言22』(幻冬舎新書)の一部を抜粋・編集したものです。

巨額の国民医療費
50兆円突破圏内に

 日本の国民医療費が50兆円を突破しようとしている。2000年には30兆円だったものが、わずか20年で1.5倍になっている。このペースで増え続ければ、2040年には70兆円に達するという試算もある。

 私はこの数字を見て、正直なところ「このシステム、もう限界だろう」と思った。

 特に注目すべきは、この50兆円のうち約1兆円が「OTC類似薬」と呼ばれる薬に使われているという事実だ。

 OTC薬とは、over the counter、すなわち受付のカウンターの外にある薬という意味で、処方箋がなくても、つまり医師に指示されなくてもドラッグストアなどで買える薬のことだ。

 逆に、OTC類似薬とは、ドラッグストアで買える市販薬とほぼ同じ成分の薬で、保険医療で医師に処方されて調剤される薬剤のこと。湿布、風邪薬、花粉症の薬……などがこれに当たる。

 つまり、年間1兆円もの公金を、本来ドラッグストアで自分で薬を買って治せるレベルの症状なのに「コンビニ感覚」で医療機関へ行き、ドラッグストアでも買える薬をもらうことに支出しているとも言える。

 これは明らかに不合理だ。