欧州では、冬の新型コロナウイルスの感染拡大中にワクチン接種を受けられるのかを巡って懸念が高まっている。しかし、厳格なロックダウン(都市封鎖)をしなくても死亡率を抑制できる方法を見つけたと力説する町がある。ドイツ南部の都市テュービンゲンは春にコロナで深刻な被害に見舞われたが、広範な検査の提供やタクシー代の補助などの措置によって、コロナによる死者の大半を占める高齢者を保護することに成功している。4月の感染第1波のピーク時、人口8万9000人のテュービンゲンで最大の病院では33人の集中治療室(ICU)入院患者を含め70人のコロナ感染者が治療を受けており、緊急以外の手術をキャンセルせざるを得ない状態だった。しかし、ドイツ全体がさらに深刻な感染拡大のただ中にある今、同病院のコロナ患者はわずか35人で、その多くは他地域からの転院者だ。うち15人がICUで治療中を受けているが、テュービゲンの住民はその半数にも満たない。病院では緊急以外の手術のキャンセルもしていない。