昨年は新型コロナによる感染症の流行により、多くの人にとって試練の一年となりました。これからのウィズ・コロナ時代を生きていく現代人には、より「折れない心」が求められるでしょう。とはいえ、実際に明るい未来が見えない状況で生きていくのは簡単ではありません。そこで今回は、心理カウンセラー・植西聰さんの新刊『前を向く力を取り戻す 「折れない心」をつくる たった1つの習慣』(青春出版社)から、苦しい状況の中で生きていくときに、気持ちが少しラクになる考え方を紹介します。
「無力感」を感じたときに大事なのは「自分を責めない」こと
心が折れやすい人は、そうでない人よりも「無力感」にさいなまれることが多いようです。無力感というのは、簡単にいうと、「自分は何もできない」、「自分には力がない」というふうに、気力が保てなくなってしまうような心の状態のことを言います。
例えば、ある日突然、会社の上司から「業績が悪化したので、来月の給与は半分カットすることになった」と告げられたとしましょう。最初は「そんなこと急に言われても、困る」と怒りの感情が湧いてくるかもしれません。しかし、しばらくすると、「来月からどうやって生活していこうか」、「家賃の支払いはできるだろうか」と、今後が心配になって絶望的な気持ちになるでしょう。そして、「こんな状況になっても、自分は何もできない」と無力感にさいなまれるのです。