今から2年足らずの後。米大統領選の結果を覆すという現在の取り組みから長らく時間がたったその時、想定されるシナリオはこうだろう。共和党の上院または下院議員、党指導部が中間選挙の予備選で再選をかけて、ドナルド・トランプ大統領の推す候補者と争う。現職候補は軽蔑の対象である党内エスタブリッシュメント(既得権益層)として攻撃を受けるが、最終的には勝利する。だが、党内の反対派は今繰り広げられている状況を踏襲する格好で、予備選の結果に異議を唱えるだろう。選挙はエスタブリッシュメントによって「仕組まれて」いると主張し、選挙結果を覆そうと法廷争いに持ち込むかもしれない。そのような勢力が今週に入り、共和党内でにわかに姿を現し、事実上の内戦が突如として現実味を増した。この内部抗争は、トランプ氏とその家族、熱烈なトランプ支持層の後ろ盾を得たい議員らと、ミッチ・マコネル上院院内総務(ケンタッキー州)に代表される党内保守派のエスタブリッシュメント層の間で繰り広げられている。対立はイデオロギー的な面もあるが、単純に権力に関するものでもある。いずれにしても、この先2年も続き、2022年の中間選挙まで余波が及ぶだろう。
トランプ氏最後のあがき、共和党「内乱」を露呈
トランプ支持層の後ろ盾を得たい議員らと党内エスタブリッシュメント層の間で内部抗争
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