まだ45分しか経過しておらず、15分も残っていることを知っていても、「それでは、そろそろお暇します」と言えば、相手はもう一度あなたに会いたくなる。

「終わりよければすべてよし」という言葉があるが、お互いに大いに盛り上がっているときに帰れば、まさにその言葉どおりの切り上げ方ができる。そういう人は、好ましい印象を相手に与え、「とても気持ちのいい人だった」と思ってもらえるのだ。

盛り上がったまま会話を終える
「ピークエンドの法則」

 イタリアのサン・ラファエレ生命健康大学のモッテルリーニ教授によると、最後の印象で、すべての印象が決まってしまうと述べている。

 たとえば、次のようなふたつのレコードがあるとして、みなさんはどちらのレコードのほうが楽しめると思うだろうか。

レコードA―最初の5分は雑音が混じっていて、残りの15分は問題なく聞ける

レコードB―最初の15分は問題なく聞けて、最後の5分間には雑音が混じっている

 このような選択をさせると、大半の人はレコードAを選ぶ。なぜなら、最後の最後で雑音が混じったりすると、不快な気分のままでレコードを聞き終えることになるからである。

 これを心理学では、「ピーク・エンドの法則」と呼んでいる。何事も最後がとても重要なのであって、最後がダメだと、すべてが台なしという法則である。

 会話が盛り上がっているときにお暇するのも、いわばピーク・エンドの法則を利用したテクニックだ。それまでの会話がどんなにつまらなくとも、相手が笑ってくれたところでお暇すれば、それなりにいい印象が残せるのである。

 その点、最初のうちは盛り上がっていたのに、次第に、ムードが沈滞してきたところで、「それじゃ、そろそろ帰ります」と言うと、あなたは退屈な男だと思われてしまう。なぜなら最後に沈滞してしまったからだ。

 会話を切り上げるときには、相手が大笑いできるような話をいくつか持っておきたい。自分のドジな話でも、冗談でも、ジョークでも何でもいいが、それを最後にまとめてポンポンと出して、盛り上げてから帰るのだ。

 花火大会でもそうだが、最後の最後に、豪勢な花火を矢継ぎ早に打ち上げると、観衆は大満足して家路についてくれる。会話でもそうで、最後にまとめて面白い話を集中させ、大いに盛り上げてから帰るようにしよう。