国会議事堂Photo:PIXTA

 2021年の日本経済は、新型コロナウイルスの感染次第で非常に大きく変わる。

 従来のスタイルの経済見通しでは、意味がない。複数のシナリオを提示し、最悪の事態に備える仕組みを用意する必要がある。

 一方、長期的課題はコロナに関わりなく残っている。これらは産業構造と密接に関係しているため、経済全体との関連で捉えることが重要だ。

コロナ感染次第で大きく変わる
従来型の経済見通しは意味を失った

 2021年度の経済を考えれば、「不確実」という一語に尽きる。

 今年ほど1年の見通しがつかない年は、これまでなかった。経済見通しが、今年ほど困難であり、無意味になった年もないだろう。

 政府の経済見通しでは、日本経済は21年にコロナ前の状態に戻る。名目GDP(国内総生産)が一昨年とほぼ同額になり、21年の実質成長率は4%になる見通しだ。

 しかし、これが実現できる保証はまったくない。