館田一博(たてだ・かずひろ)氏/東邦大学医学部微生物・感染症学講座教授、日本感染症学会理事長、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会委員 舘田一博(たてだ・かずひろ)氏/東邦大学医学部微生物・感染症学講座教授、日本感染症学会理事長、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会委員 Photo by Hiromi Kihara

年末年始に向けて「緊急事態再宣言を発出すべき」との声も聞こえてくる昨今、コロナ禍をめぐる医療はどうなっていくのだろうか。東邦大学医学部微生物・感染症学講座教授で、日本感染症学会理事長を務めるほか、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の構成員でもある舘田一博氏に、コロナ対策の現状や今後の展望を聞いた。(医療ジャーナリスト 木原洋美)
*インタビュー日は2020年12月9日

パンデミックが
起きることは予測されていた

――2020年はかつて経験したことのない大変な1年になりました。

 いつか起こると言われていたパンデミック(世界的大流行)が、やはり起こったということ。しかもまだまだ終息は見えない。今の波を超えても、また次の第4波が来る。最終的に事態が落ち着いた時に、感染症に対して強い社会になっていたと言えるようにしていかないといけない。