ハンバーグは経営上もお得!

 ファミリーレストランの創成期において、日常的に食べることのないごちそうメニューの代表だったのがステーキです。ハンバーグ380円に対して、ステーキは1000円を軽く超えるメニューでした。

 つまりステーキは、なかなか手が出せない特別感のあるメニューだったのです。一方で、ハンバーグはステーキと同等の価値を感じさせながらも手が届く、言うなれば庶民派の秀逸なメニューでした。

 そんなハンバーグが人気メニューとなる利点は、ファミリーレストラン側にとってとてつもなく大きいです。

 一般的にステーキに使用する肉は、精肉店から仕入れますが、精肉流通の都合上、ステーキに使える部分だけを仕入れた場合には、加工費が乗って非常にコストが高くなってしまいます。

 そこで、多くの店ではコスパを考えて、ステーキに使える部分を含んだ大きな塊肉を仕入れています。この塊肉には、ステーキには使用することのできない部分も含まれています。

 塊肉の良質な部位はステーキに回せますが、その量はごく一部。部位にもよりますがおよそ40%~60%程度です。つまり、それ以外の肉の使い道を考える必要が発生してきます。

 そこで登場したのがハンバーグ。

 本来ステーキに使用できるほどのおいしい塊肉の、ステーキの大きさにカットできない部位や、筋繊維が強い部位などをひき肉にしてハンバーグにすることで、コストの問題を解決したのです。

 ステーキと同等の肉のおいしさを、ステーキよりも安く提供できる、ファミリーレストランにとっては救世主となるメニューがハンバーグでした。

 その貢献度は高く、肉の原価をコントロールすることを容易にしただけではありませんでした。1種類のハンバーグのパテだけで、ソースとトッピングを組み合わせることで、複数のメニューに派生させることができる非常に優れた商材だったのです。

 例えば、単品のハンバーグにプラスして、トッピングにベーコンを乗せたり、目玉焼きを乗せたりするだけで別のメニューになります。洋風のソースも和風のソースも、どんなものでも合わせやすい万能さを持ち合わせています。

 さらに、80グラム程度の小さなステーキやサイコロステーキ、チキンソテーや各種フライなどとのコンボメニューも組み立てが可能であり、大きな価値の提供を目指すことも可能です。メニューを自在に組み替えることで売価のコントロールがしやすいため、利益確保にも大きく貢献する。ファミリーレストランにとって本当に助かるメニューだったのです。