米民主党が上下両院の主導権を握ったことで、ジョー・バイデン次期大統領にとっては、自身の掲げる政策を実現できる可能性が高まりそうだ。5日にジョージア州で実施された連邦議会の上院2議席を巡る決選投票では、民主党のラファエル・ウォーノック、ジョン・オソフ両氏がいずれも勝利した。これにより、上院は50対50で両党の議席数が並ぶが、カマラ・ハリス次期副大統領が上院議長として決定票を投じることができるため、民主党は実質的な主導権を握ることになる。民主党はこれにより上下両院で多数派となり、同党のチャック・シューマー上院議員(ニューヨーク州)は初めて、多数派の上院院内総務に就任する。バイデン氏は新型コロナウイルスの封じ込めと景気回復の促進を目指した野心的な財政刺激策の実施を唱えており、立法化に向けた環境が整う。バイデン氏の閣僚人事も、上院での承認手続きが円滑に進む公算が大きくなりそうだ。