しかし、親文派の動きは文在寅氏の考えを超えて、さらに過激な様相を呈している。親文派がいる限り国民の和解はなく、もはや「共に民主党」にとっては勝手に過激な言動を続ける重荷の存在になってきている。

親文派への逆風で
両市長選の苦戦は不可避

 親文派はこれまでソーシャルメディアなどで強い影響力を行使し、同党の大統領選挙・地方選挙・総選挙での勝利に貢献してきた。しかし、今回の市長選挙はいずれも共に民主党首長の不祥事による補欠選挙だ。中間層・無党派層に、「共に民主党」に対する失望感がある中での選挙なのである。

 そればかりか、昨年の総選挙では文政権の新型コロナ対応の成功によって大勝利を収めたが、現在の状況は文政権の不動産政策の失敗、政権与党の数々のスキャンダルでクリーンイメージが失われた中での選挙である。

 加えて、秋法務部長官による強引な尹検事総長への懲戒が裁判所で否定されたこと、対北朝鮮ビラ散布禁止法が国際社会から非難されていること、北朝鮮に対する従属姿勢が顕著になったこと、国会での民主主義のルールを無視した強行採決など、文政権の横暴が激しくなり、国民もその実態に目を向け始めている。

 これを主導しているのが政府・与党とこれら親文派であるが、文政権に対する逆風の中で一切反省をせず、むしろ反対派への攻撃に終始し、国内の分断を強めている。その結果として、中間層無党派層をますます反対派に追いやっている。こうした状況が続く限り、両市長選挙に苦戦することは避けられない。そのことは世論調査結果にも明確に示されている。

親文派の中心となる
「386世代」の特徴とは

 親文派の特色をNNA ASIAの記事にある陳重権(チン・ジュングォン)元東洋大学教授のインタビューをもとに考えてみたい。陳教授は、曺国前法務部長官に近かったが、親文派の実情を見て転向した人である。陳氏は次のように指摘する。

〈文政権の青瓦台(大統領府)のスタッフや共に民主党の指導層の中心は、1980年代に学生運動を体験した60年代生まれの「386」世代だ(90年代に30代で、80年代に学生運動を経験した60年代に生まれた者を指し、30代、80年代、60年代の3、8、6を取って386世代と称する)。彼らは、今は50代であることから「586世代」ともいわれる。〉