画期的な生活保護申請支援システム
「フミダン」の順調な滑り出し

 2020年末、生活保護の申請をスムーズにするための画期的なウェブシステム「フミダン」が開発され、年末年始にかけて運用開始となった。フォームに入力するだけで生活保護の申請書を作成でき、東京23区限定だが同時にFAX送信して申請を終了することも可能になるというシステムである。

 開発・運用責任者である佐々木大志郎さん(一般社団法人つくろい東京ファンド)によると、12月15日から1月6日までの22日間で、生活保護の申請書が788枚作成され、3件のFAX申請が行われたそうである。「FAX送信がエラーになる」など若干のトラブルはあったものの、トラブルと対処は想定範囲に収まったという。

「もともと、送信テストを兼ねて、福祉事務所と私たちの事務所に同時にFAX送信する仕様です。送信エラーは把握できるので、その場合は、私たちが福祉事務所に申請書を送信してみるなどのバックアップ体制を用意していました」(佐々木さん)

 エラーに対しては、日付をまたぐことなく申請手続きを完了できたということだ。

「『フミダン』の目的は、不安な申請者が申請を行うことができ、その申請が適正に処理されること、また、『そうあるべき』という社会の理解が形成されることにあります。福祉事務所も大変なのは分かっていますから、お互いに情報共有して協力できればと思っています」(佐々木さん)

FAXによる生活保護の申請を
普通の申請行為に

 運用開始してみての手応えは、「まず、利用されているユーザーさんがいたことに安堵しました」ということだそうだ。また、支援団体への相談につながる事例もあった。

「フミダンで申請書を作って提出しようとする方が、相談を寄せてくださることもありました。フミダンがきっかけになって福祉につながる方が現れるということも、目的の1つでした」(佐々木さん)

 その次の目標は、ハードルが比較的低い「FAXによる生活保護の申請」を、普通の申請行為にしていくことであるという。最初の一歩は、順調に踏み出されたようだ。佐々木さんが「フミダン」で次に実現したいことは、相談へとつなぐ機能を充実させることであるという。