新型コロナウイルス感染拡大の影響が続く中、大学入試センター試験に代わり21年度入試から導入された「大学入学共通テスト」が今日から始まる。日本の大学入試も時代とともに少しずつ形を変えてきたが、海外の大学と比較するとどんな違いがあるのだろうか。(経済学者 橘木俊詔)
※本稿は、橘木俊詔著『大学はどこまで「公平」であるべきか 一発試験依存の罪』(中公新書ラクレ)の一部を再編集したものです。
なぜエリート校ほど面接を好むのか
日本では、大学入学試験における面接試験に対し、そこまでポジティブな印象を持っていない読者も多いのではないだろうか。しかしイギリスの名門、いわゆる「オックスブリッジ(オックスフォードとケンブリッジの両大学の総称)」では、面接試験が導入されている。
なぜこれらエリート校において面接が重視されているのであろうか。
それにはオックスブリッジの歴史と、伝統に根ざした教育・教育方法を知っておく必要があるだろう。なお確かに両方とも「エリート大学」だとはいえ、オックスフォードは人文・社会科学系に強く、ケンブリッジは自然・理科系に強い、という特徴を持っている。
以下、特に筆者が詳しい、オックスフォード大学の事情について説明すれば、入学を希望する場合、まずカレッジに合格することが必須の要件となる。オックスフォード大には三十数校ものカレッジが存在し、その中には中世の時代からのものもある。そして「フェロー」と呼ばれる教員が各カレッジに属している。