その後、様子を見るために、ぶらっと競技場の周りを歩き、5分ほどして戻ってみるとさっきまであった行列はきれいに消えていた。

 建物のガラス越しに中を見ると、一番近くに並んでいた彼が書類に何かを記入している様子だった。たぶん「余り物」にありつけたのだろう。

コロナ禍は
「一種の戦争である」と実感

 こうした体験を通じて、私は「このコロナ禍は一種の戦争である」と改めて実感した。

 イスラエルが国民の命最優先でワクチンを確保し、最短で日々接種記録を伸ばしているのも事実だし、その一方で、オペレーションが回らなくてワクチンを捨てているのも事実。

 皆が日々手探りで生きているのだ。

 私がイスラエルにいる間にワクチンが外国人にまで行き渡るかどうかはわからないが、唯一の願いは、「一刻も早くコロナが収束し、またこれまでの生活に戻る」ということだけだ。