徳永勇樹
「業務スーパーで売られている『アリョンカ』というお菓子が、安くておいしいとSNSで話題になっている」と聞いて驚いた。その少し前に、カルディで「スィロク」を見かけたばかりだったからだ。日本ではほぼなじみがないと思われるこのお菓子、実はどちらもソ連時代からある、現地では誰でも知っているおやつなのである。

2019年頃から続く第3次サウナブーム。自粛生活が続くなかでブームに拍車がかかり、サウナ人気は右肩上がりだ。サウナ好きが増えるにつれて、昔ながらの日本式な高温ドライサウナだけでなく、フィンランド式サウナにも注目が集まっているが、実はフィンランドに負けず劣らずのサウナの本場が、ロシアである。ロシアのサウナ「バーニャ」の魅力について紹介したい。

東イスラエルでパレスチナ人とイスラエル警察の衝突が続いた結果、5月中旬からパレスチナ自治区ガザの拠点からロケット弾が放たれ、イスラエル軍が迎撃ミサイルで撃ち落とすという事態になっている。ここまで大規模な戦闘は7年ぶりだが、多くのイスラエル人たちは「いつものこと」と冷静だという。イスラエルの歴史的都市・エルサレムでは、ミサイルと共存する日常が当たり前だからだ。外国人がイスラエルで暮らすことに危険はないのか。

世界最速ペースでワクチン接種が進む中東・イスラエルで、4月18日に屋外でのマスク着用義務が廃止された。国民の約6割がワクチン接種を終えた同国では、学校の対面授業再開、国際空港の開放、ジムやレストランへの自由な出入りなど、マスク以外にもさまざまな規制が取り払われ、コロナ以前の日常を取り戻しつつある。現地で暮らす筆者が見た「ポストコロナ」の世界とは。

1999年に登場して以来、爆発的に流行した現代版ベーゴマ「ベイブレード」。アメリカでは世界大会も開催され、2021年時点でも新製品が販売されている。筆者が暮らすイスラエルでもベイブレードを知らない人はいないほど人気がある。以前にも市内のマクドナルドに立ち寄った際に、ハッピーセットのおまけがベイブレードだと知って大変驚いた覚えがある。実は、ユダヤ人とコマは2100年以上の深いつながりがあることはあまり知られていない。

イスラエルでは3月27日から過越祭(現地発音:ペサハ)が始まり、4月4日の夕方にも終わろうとしている。過越祭の歴史は遠く3000年前にさかのぼる。イスラエルの民がエジプトで奴隷となり苦しんでいたとき、神がモーゼに対して羊を屠ってその血を家の入り口の柱に塗ることを命じ、その教えに従ったイスラエルの民だけが神の裁きを逃れることができた(禍が過ぎ越した)ことに起因する。そして、苦難に満ちあふれたモーセ率いるユダヤ人がエジプトを脱出し、イスラエルにたどり着くまでの歴史を追体験するのが過越祭だ。

新型コロナウイルス対策で「ワクチン接種優等生」と言われるイスラエルでは、人口の大多数が1度目の接種を終え、徐々に元の生活が戻りつつある。そんな中、ワクチンによる「地殻変動」が見えないところで起きている現実もある。今回はイスラエルを例に、ワクチンをめぐる国内・外交政策、そして台頭しつつある「格差」と「ワクチンナショナリズム」について書く。

世界最速のペースで新型コロナウイルスのワクチン接種が進むイスラエル。今や国民の半分が接種を終え、コロナ前の日常に戻りつつある。そんな中、イスラエルでも徐々にスポーツイベントが開催されている。東京オリンピックの開催で暗雲が垂れ込める日本が、「ワクチン先進国」イスラエルから学べる事例をご紹介する。

人口の大多数が1回目のワクチン接種を終えたイスラエル。日本メディアもイスラエルの先進事例を取り上げるなど、「ワクチン接種優等生」としてのイスラエル像が定着しつつある。その一方で、その「舞台裏」では混沌とする状況も広がっていた。当地にいる日本人の間では「確かに日本よりも優れているところもあるけど、でも、イスラエルはイスラエルで大概だよね」というのが共通見解でもある。ここでは、具体的な事例を挙げてその混乱ぶりを紹介したい。

周知の通り、新型コロナウイルス感染症の「震源地」は中国とされている。このため、感染が世界に拡大した当初、各国・地域で媒介者と想定されたアジア(東洋)人が相次いで暴言や暴力を受ける事態が頻発した。中東地域に在住する筆者もしばしば「コロナ差別」を受け、つらい経験をした。今でもトラウマになっているほどだ。

イスラエルはコロナワクチンの接種が、世界の中でも「最速ペース」で進んでいる。在留外国人でも接種を認めているため、イスラエル在住の筆者は幸いにもワクチンを接種できる機会を得た。その体験談とともに、日本における外国人へのワクチン接種の課題についても触れてみたい。

コーカサス地方に位置するジョージア。最近この国の名前を聞く機会の多い読者もいるかもしれない。そのきっかけを生み出したのは、2020年1月に牛丼チェーン「松屋」に登場した「シュクメルリ鍋定食」だ。今、このシュクメルリが日本を席巻している。ジョージアにも複数回の渡航歴があり、現地の食事情にも精通する著者が、この流行の背景を探った。

「コーシャ認証」という加工食品に対するユダヤ教の認可がある。この認証を日本でも徐々に取得する動きが広がっている。「コーシャ認証」のルールと日本の加工食品が取得する意義について、解説する。

世界で続々と行われるワクチン接種。日本でも医療従事者を対象に2月下旬にも始まるといわれているが、居住国によっては外国人への接種を認めている国もある。筆者が住むイスラエルもその国の1つだ。今回はワクチン接種を済ませた日本人に直接取材をして、その状況や感想などを聞いた。

「獺祭」で有名な旭酒造、南部美人、宝酒造、「八海山」の八海醸造など、日本酒の酒造会社が「コーシャ認証」(ユダヤ教の食事規定に従った加工食品に与えられる宗教上の認可)を相次いで取得している。その理由と背景とは。

イスラエルは既に国民の2割以上が新型コロナウイルスワクチンの1回目の接種を終え、世界の中では「最速レベル」のペースでワクチン接種が進んでいる。そんな「ワクチン優等生」であるイスラエルだが、ワクチン自体は不足しており、接種には高齢者優先などの「順位」が決まっている。しかし、「余る」ことがあり、優先順位が低いはずの健康な若者でも接種できるケースがある。その理由や、イスラエルのワクチン事情についてレポートする。
