ワクチンが普及すれば新型コロナは本当に終息するかワクチンが普及すれば新型コロナは本当に終息するか(写真はイメージです) Photo:123RF

新型コロナウイルスが相変わらず世界的に猛威をふるっている。そんな中、期待が大きいのがワクチンだ。いよいよ一部の国では接種が始まったが、ワクチンが実用化し、普及すれば、新型コロナは本当に終息するのだろうか。現時点での懸念や課題などを解説する。(ナビタスクリニック理事長、医師 久住英二)

新型コロナに翻弄された2020年
人類の期待はワクチン

 2020年は新型コロナに始まり、新型コロナに終わりそうだ。しかし、年が明けてもまだ新型コロナとの闘いは続くだろう。12月の時点で世界の感染者数は8000万人を超え、死亡者数も200万人に迫ろうという勢いだ。矢継ぎ早に導入された治療薬も、「特効薬」と呼べるものはない。

 そんな中、人類の期待を一身に背負っているのが、ワクチンだ。

 通常、数年はかかる開発期間を1年足らずに短縮し、20年11月には米ファイザー(独ビオンテックと共同開発)と米モデルナが相次いで第III相臨床試験(治験)の結果を発表。ファイザーのワクチンは95%(最終分析)、モデルナも94.5%(中間解析)の有効性が示され、世界が期待に沸いた。