ハ・ワン
イラストレーター、作家
1ウォンでも多く稼ぎたいと、会社勤めとイラストレーターのダブルワークに奔走していたある日、「こんなに一生懸命生きているのに、自分の人生はなんでこうも冴えないんだ」と、やりきれない気持ちが限界に達し、40歳を目前にして何のプランもないまま会社を辞める。フリーのイラストレーターとなったが、仕事のオファーはなく、さらには絵を描くこと自体それほど好きでもないという決定的な事実に気づく。以降、ごろごろしてはビールを飲むことだけが日課になった。特技は、何かと言い訳をつけて仕事を断ること、貯金の食い潰し、昼ビール堪能など。書籍へのイラスト提供や、自作の絵本も1冊あるが、詳細は公表していない。自身初のエッセイ『あやうく一生懸命生きるところだった』が韓国で日韓累計40万部のベストセラーに。最新作『今日も言い訳しながら生きてます』が1月27日に発売。

『今日も言い訳しながら生きてます』プロローグより

 何でもかんでも言い訳するのは人生をダメにする近道だ。でも、適度な言い訳は人生をおいしくしてくれる味の素みたいなものだ。

 つまり言い訳(自己合理化)とは、悩み多き現実社会で、心折れずに生かしてくれる最後の砦なのだ。どこか一方からだけでなく、さまざまな角度から自分を映してくれる鏡でもある。

 客観的な視点にとらわれて生きるのではなく、少しは主観的に生きてみたらどうだろう?

 ひょっとしたら、僕たちはそれができないから、これほどまでに苦しんでいるのかもしれない。

 ”客観”という言葉は、自分ではない第三者の視点を意味する。客観的に人生を見つめるということは、すなわち他人の視点から推し量るという意味だ。

 もちろん、客観的な観点は必要だ。しかし、まわりの視点ばかりにとらわれすぎると、主体的に生きられないどころか、他人に引きずられてしまう可能性が大きい。

 自分が心から望んだものではない他人の基準に合わせた人生、他人に突っ込まれない程度のそこそこの人生を追いかけるような、むなしい人生になってしまう。

 そんな人生、僕たちはもう十分に生きてきた。
 だからこれから先の人生くらい、主観的に生きたって悪くないだろう。
 自分だけのものさしと観点で。


■新刊書籍のご案内
日韓累計40万部のベストセラー人生エッセイ、待望の続編!
『今日も言い訳しながら生きてます』

多くの共感、感動の声を生んだ人生エッセイ『あやうく一生懸命生きるところだった』に、待望の続編が登場!

「人間関係は二の次でいい」
「結婚は義務ではなく選択」
「競争しないのも一つの選択肢」
「友達は少ないに限るよ」
「いい会社に入っても、結局悩む」……

今作もまた、心が軽くなる金言が盛りだくさん。人生のモヤモヤを晴らしたい方、心が疲れていると感じる方にオススメの一冊です。

『今日も言い訳しながら生きてます』
ハ・ワン 著/岡崎暢子 訳
定価(本体1,450円+税)
ダイヤモンド社 刊