固定金利でも変動金利でも損得はないはず

 銀行間の貸し借りの金利について考える。資金を調達する銀行は、「短期の借り入れを繰り返して長期間の資金を調達するのと、最初から長期の資金を借り入れるのと、どちらが得か」を比較するはずである。資金を運用する銀行も同様だ。

 両者が合意して取引するということは、両者ともに「今後の短期金利の平均は、今の長期金利と大体同じだろう」と考えているということである。逆にいえば、長期金利というのは、銀行などが予想する今後の短期金利の平均に等しくなるはずなのである。

 住宅ローンの金利に関しても同様だ。銀行が他行から資金を調達して、それにコストや利益を上乗せして住宅ローンの金利を決めているのだとしたら、借り手にとっても変動金利で借りる(銀行が短期金利で借り入れの繰り返すのと似た取引)のと固定金利で借りる(長期金利で借りる取引)のと、どちらが得だとはいえないはずだからである。

 固定金利で借りても変動金利で借りても、予想が当たれば損得がないということであれば、あとはインフレのリスクを避けるという観点から固定金利を選ぶべき、ということになろう。

 固定金利で借りれば、支払額は確定する。一方で、変動金利で借りれば、「金利が下がれば儲かるが金利が上がれば損をする」という賭けをすることになる。しかし、これは危険な賭けだと言わざるを得ない。

 金利はゼロ以上には下がらないとすれば、儲けは限られている半面、「金利が大幅に上昇して多額の利払いが必要となるリスク」を負うことになるからだ。賭け事が好きな人は別として、こんな怖い賭けは、普通は避けたいだろう。

 遠からず退職金が出て、それで住宅ローンを完済しようと考えている人はともかくとして、そうでなければ固定金利で借りることをお勧めしたい。