会社を強くするために意思決定をする

日置 2013年に4社統合(コカ・コーライーストジャパン)したときは、CFOを含む多くのポジションが4人から1人に決めなければならなかったわけですよね。

青山 当時、私たちはフェアに「能力と情熱」で決めたのでスムーズに運んだと思います。そのとき、私自身の情熱はどこにあったかを考えてみると、誰もやりたがらないポジションへの挑戦でした。4社の経理部門と財務部門と債権債務管理部門を一つにまとめる役職です。会計士、投資銀行というキャリアを生かせると思ったのですが、その役職のミッションはまるで違いました。

 企業経営の命運を握るのは意思決定です。これは経験しないとわからない。意思決定には、自身で決められることとそうでないことがありますが、そのときは誰もやりたがらないポジションを選んだから自由に意思決定ができました。その経験から、会社を強くする企業変革に最大限の貢献をすることにやりがいを感じるようになりました。いまもそうです。

日置 先ほどおっしゃった青山さんのミッションは、まさに変革の意思決定です。そして、その変革には抵抗がつきものです。

青山 でも抵抗されるのは、それだけ大きな、正しいチェンジを行おうとしているからなんですね。逆に抵抗されない変革は大したチェンジではないということです。変革を主導する経営者は、そういう前向きな思考が大事です。これもコカ・コーラでの経験ですが、困難に直面するたびにメンターが伴走してくれたことが励みになりました。コカ・コーラというアメリカ企業組織の仕組みや仕掛けを養分にして成長したのだと思います。

日置 メンターシップが組織全体へ染み込むようにするには、グローバル人材育成のプログラムや評価軸が必要です。NECはどうですか。

青山 当社には私が経験したようなメンターシップはないので、危機感を感じています。ここは変えたいと思っていて、多くの時間を割いています。

 グローバル企業の場合、世界各地の拠点に存在する有能な人材を発掘し、育成し続けるには、本社だけが頑張ってもダメで、現地と本社の双方の意思と努力が必要です。先ほど申し上げた月30分のミーティングのほかにも往来するための仕掛け、グローバルで人材を登用するプログラムをつくらなければならないと考えています。いま人事も巻き込んで、世界各国の次世代ファイナンスリーダーの特定をしているところです。また、グローバル人事部では異なるジョブグレードや評価基準の統合も進めています。