投資対象としてゴールド(金)を保有している人はあまり多くないだろう。しかし、「ゴールドが近い将来最も有力な投資先になる」と提唱するのは、YouTube再生回数6000万回を超える人気投資家の高橋ダン氏だ。2月刊行予定の著書『ゴールド投資──リスクを冒さずお金持ちになれる方法』では、ゴールドに投資する根拠から投資の実践方法まで余すことなく語った。本稿では、特別に本書から一部を抜粋・編集して紹介する。
供給量が決まっている有限の資産
金に投資する3つ目の理由は、供給量の増加によって値下がりする可能性が非常に低いからです。
投資商品に限らずですが、市場で売買されているモノの価格は需要と供給のバランスによって決まることがほとんどです。
その構造を表しているのが、価格決定の理論を説明している需要と供給の曲線の図です。
まずは図の見方を確認しておきましょう。
グラフの縦軸は価格で、上に上がるほど価格が高いことを表しています。
グラフの横軸は数量で、右にいくほど数量が多いことを表しています。
右下がりの曲線は需要曲線で、市場の「買いたい」という気持ちを表し、価格が高いところ(グラフの左上側)では買いたい数量が少なく、安くなる(グラフの右下側)ほど買いたい数量が増えることを示しています。
また、右上がりの曲線は供給曲線で、市場にものを提供する作り手や売り手の気持ちを表し、価格が安いところ(グラフの左下側)では売りたい数量が少なく、高くなる(グラフの右上側)ほど、売りたい数量が増えることを示しています。
市場での売買は、この2本の曲線が交わったところで成立します。
この交点が均衡価格で、市場の「買いたい」と「売りたい」が一致する点を示しています。
供給量(売りたい量)よりも需要量(買いたい量)が少ないと,商品が売れ残るので市場価格は下がります。需要量(買いたい量)よりも供給量(売りたい量)が少ないと,商品が足りなくなるので市場価格は上がります。
供給が増えると価格は下がる
では、供給量に注目して価格がどう変わるか考えてみます。
例えば、図が野菜の価格を表しているとして、豊作でたくさん野菜が取れれば、同じ価格でも供給量が増えるので、供給曲線は右にシフトします。
すると、均衡点は右下に移動します。つまり、野菜の価格が安くなります。
逆に、不作で野菜があまり取れなければ、同じ価格でも供給量が減るので、供給曲線は左にシフトします。すると、均衡点が左上に移動して野菜の価格は高くなります。
この仕組みを投資商品に当てはめると、各商品の価格は「供給量が増えることによって下がる」ということができます。
つまり、供給量が増えやすいもの、増やしやすいもの、作って増やせるものほど値下がりリスクが大きくなるということです。