投資対象としてゴールド(金)を保有している人はあまり多くないだろう。しかし、「ゴールドが近い将来最も有力な投資先になる」と提唱するのは、YouTube再生回数6000万回を超える人気投資家の高橋ダン氏だ。2月刊行予定の著書『ゴールド投資──リスクを冒さずお金持ちになれる方法』では、ゴールドに投資する根拠から投資の実践方法まで余すことなく語った。本稿では、特別に本書から一部を抜粋・編集して紹介する。

ゴールド投資Photo: Adobe Stock

お金の価値が下がっていく未来

 ゴールドに投資する2つ目の理由は、「インフレリスクの備え」になるからです。

「暴落対策なら現金が最強」

 そう考える人もいるでしょう。たしかに現金はもっともリスクが小さい資産です。

 クラッシュから資産を守る方法としても、株などの投資商品を現金化するのがもっとも安全性が高い方法だと思います。

 ただし、問題が2つあります。

 1つは、現金として保有していてもお金は増えないことです。

 周知の通り、日本をはじめとする先進国は低金利またはゼロ金利政策です。そのため、銀行にお金を預けても全くといってよいほど増えません。

 月々の給料で資産が作れるのであればよいのですが、ほとんどの人が老後資金に不安を感じているのが実態です。

 今後、金利が3%、5%と上がれば問題解決ですし、それならわざわざリスクをとって投資に挑む必要性も低くなりますが、おそらく金利が劇的に上がる未来はやってこないでしょう。

 仮に金利が上がったとしても、物価がそれ以上に上がれば生活レベルは苦しくなります。

 それが現金の2つ目の問題で、インフレに弱いという点です。

 インフレは、簡単にいえばモノの価値が上がり、お金の価値が下がることです。

 仮に手元に1億円あり「この先30年の生活費は安泰だ」と思ったとしても、物価が2倍になれば15年でお金が無くなる可能性もありますし、3倍になれば10年しかもたないかもしれません。