写真:バンク・オブ・アメリカ・スタジアムPhoto:Jared C. Tilton/gettyimages

 米ノースカロライナ州シャーロットに拠点を置く産業コングロマリット、医療機構、プロスポーツチームのオーナーグループの幹部が今月、歩いてストレスを発散するために集まった。彼らは、新型コロナウイルスワクチンの全米での接種が十分なペースで進んでいないという意見で一致した。

 散歩が終わるまでには、ワクチン接種を加速させるためのプランの概要を作成していた。それは、ハネウェル・インターナショナルの物流技術、医療機構アトリウム・ヘルスの専門知識、テッパー・スポーツ・アンド・エンターテインメントの不動産を組み合わせ、ノースカロライナ州の平均的なワクチン接種所が現在1日に接種しているよりも何千人も多くの人に接種するという計画だ。

「最後の1マイルだ」。ハネウェルのダリウス・アダムチック最高経営責任者(CEO)は、ワクチン展開のネックとなっている問題についてこう述べた。同氏は接種加速プランを作成した3人の企業幹部の1人で、他の2人はアトリウムのユージーン・ウッズCEOとテッパーのトム・グリック社長だ。「われわれは大幅にペースを上げる必要がある」

 より多くの米国民がコロナワクチンの接種を受けられるようにするため、この3人以外にもさまざまな米企業の経営者が、民間企業の専門知識を提供しようと介入している。

 ノースカロライナの経営者3人は、より迅速な接種システムを作り、それをバンク・オブ・アメリカ・スタジアムで運用すべく取り組んでいる。同スタジアムは、テッパーが保有する米ナショナル・フットボールリーグ(NFL)所属チーム「カロライナ・パンサーズ」の本拠地。彼らは、1日1万人を接種することを目標に、今月末までに計画を立てるという。