6000人のママが殺到!
プチ起業へ向けて切磋琢磨

 9月25日、普段はビジネスマンが行き交う六本木ヒルズ(東京都港区)には、一風変わった光景が広がっていた。赤ちゃんをベビーカーに乗せた女性達がひっきりなしに訪れていたのだ。目的は、「笑顔で働きたいママのためのフェスタ2012」への参加。子育て中のママたちの“プチ起業”を応援する「PowerWomenプロジェクト」のイベントである。

(写真1)赤ちゃん連れのママたちが、講師の話に耳を傾ける

 2カ所あるイベント会場の一つ、六本木ヒルズ1階のヒルズカフェでは、起業に向けてのカンファレンスが開催されていた(写真1参照)。ここでは、実際に子育てをしながら起業したママ起業家たちの話や、子ども教育大手のベネッセによる自宅で英会話教室を開くための魅力やノウハウの説明などが行われていた。

 ベビーカーに乗った赤ちゃんをあやしながら話を聞くママたちの顔は真剣そのもの。一言も聞き漏らすまいと熱心にメモを取っている姿が印象深い。
 

(写真2)一般企業にいてはなかなか思いつかない、ママならではの視点を取り入れたビジネスが多い

 もう一つの会場は、六本木ヒルズに隣接するテレビ朝日1階にある「umu(ウム)」。ここでは、ママ起業家たちのブースに加え、協賛企業の日本航空(JAL)などのブース約50店が出展(写真2参照)。ヒルズカフェ同様、ベビーカーを押したママたちで溢れかえっており、熱気むんむん。ブースを見て回るだけでもひと苦労だった。

 出展内容は、ベビーマッサージや、ピアスなどのアクセサリーメイキング講座、整理収納のアドバイスなどママたちに身近なビジネスが目白押し。なかには、先のベネッセのように、自宅での開業を指南するブースなどもあり、この会場でも熱心に話に聞き入る姿が見受けられた。

(写真3)JALブースは子どもたちに大人気。もちろん、その裏には起業としての計算もある(後述)

 JALのブースでは木製のコクピットが展示してあり、子どもたちの人気コーナーとなっていた(写真3)。その傍らにはJALの社員やキャビンアテンダントが立ち、にこやかにパンフレットや缶バッチを手渡す姿が見られた。

 この日の来場者数は、約6000人。参加したママたちにはプチ起業が身近に感じられ、「自分にもチャンスがあるかもしれない――」。そう考えただろうことは、想像に難くない。