今回、上記の3人には見られなかったが、中には強い副反応らしき症状に見舞われた人もいる。

 テルアビブ市在住の森田さん(50代女性・仮名)は、接種してから数日後に「蓄膿症のような頭痛、吐き気、全身の力が抜けたような倦怠感、食欲後退があった」という。

 ただ、ワクチン接種と体調不良が直接の因果関係を持つかどうか未解明のことも多く、また、副反応の発生条件についても人それぞれで異なるため、ここでは全体のうち一部の声とお考えいただきたい。

わからないことが多いコロナ
「正しい答え」は不明だが…

 今回、イスラエル在住の日本人のワクチン接種状況について、いくつかの「生の声」をご紹介した。

 今回インタビューに参加してくださった方々に限らず、地元の人々と話していても「社会の大多数がワクチンを接種できれば、また1年前のような日常に戻れるのではないか?」という期待感は確かにある。

 しかし、「皆がワクチンさえ打てば問題ない」という結論づけはまだまだ早い。

 当地ではワクチン接種によって感染者が減少しているという報道も少なくないが、12月末から約1カ月間続くロックダウンも感染縮小に一定の貢献をしているのも間違いないだろう。

 また、世界各国で増え続ける変異種全てにワクチンが効くかどうかもわかっていない(現在のところ、「ある程度は有効である」との専門家の指摘や報道が多いが…)。コロナウイルスには未解明なことがまだまだ多いのだ。

 今、世界は日々「答えのない問い」にさいなまれている。

 誰もがこれまでに経験したことのない状況で自分の答えを出すことを強いられている。コロナやワクチンに関するありとあらゆる情報が出回っているが、最後に判断を下すのは自分自身にほかならない。

 インタビュー中にも、「実はワクチンを打ったことが良かったかわからない。けど、打って良かったという思いもある」と、その複雑な胸の内を明かしてくれた人もいた。

 残念ながら、筆者もまたこれについて正しい答えを持ち合わせていない。

 今目の前にワクチンがあったら、打ちたいという気持ちもあるし、「ちょっと怖いかも」という気持ちもある。近い将来に日本でも始まるワクチン接種。その心の準備に本稿が役立てば幸いである。