日本の匿名掲示板として圧倒的な存在感を誇った「2ちゃんねる」や動画サイト「ニコニコ動画」などを手掛け、いまも英語圏最大の匿名掲示板「4chan」や新サービス「ペンギン村」の管理人を続けるひろゆき氏。
早くも3万部を突破した新刊1%の努力』では、そこに至る根っこの部分を掘り下げ、いかに彼が今の立ち位置を築き上げてきたのかを明らかに語った。

「努力はしてこなかったが、僕は食いっぱぐれているわけではない。
 つまり、『1%の努力』はしてきたわけだ」
「世の中、努力信仰で蔓延している。それを企業のトップが平気で口にする。
 ムダな努力は、不幸な人を増やしかねないので、あまりよくない。
 そんな思いから、この企画がはじまった」(本書内容より)

今回は、「努力の中身」について語る――

それって実力なのか?

ひろゆき氏(撮影:榊智朗)

世の中、「努力が100%だ」という信仰で溢れかえっている。
しかし、考えてもみてほしい。
ありとあらゆることにおいて、「100%自分の実力だ」と言えることは、実は少ない。

遺伝子か、環境か。先天的か、後天的か。

そういった視点も、幸せに生きるためにはある程度、必要だ。
本人がモテる努力をして恋人ができたとしても、元の顔のパーツがよかったから、つまり遺伝子の影響もあったと言えたりする。
そのように、1つの決定的な要因はなく、さまざまなことが絡み合って、人生は成功へと導かれていく
その事実を受け入れるための話をしておこう。

医者の子が医者になるワケ

まず、多くの人は、「自由意志」を大きく扱いすぎている。
自由意志とは、「よし、これをやるぞ!」とハッキリと自分で意識して、その上で努力によってそれを成し遂げるような力のことだ。
お金儲けの本やダイエット本などは、自由意志が正常に機能することが大前提として書かれている

すると、お金が稼げなかったり、痩せなかったりするのは、「あなたの意志が弱いからだ」と著者は言い逃れができる。
合格実績をウリにしている予備校や家庭教師も、最終的には「あなたの頑張りが足りなかった」と言うことだってできる。
ある意味で最強の思考法である。

さて、この「自由意志」によって人生を変えられる範囲は、一体どのくらいあるのだろうか。
僕は、ゼロではないが「ほぼ少ない」と思っている。

たとえば、景気の良さと自殺率は関連するし、お金持ちの家に生まれたほうが、いい学校に進学できる。
これは社会学の領域になるが、個人の行動は、環境によって「ある程度」は決められてしまっているのだ。
ここでの「ある程度」という表現がポイントである。

親が医者だから子どもも絶対に医者になるわけではない。それはみんなわかっている。
しかし、子どもも医者になるであろうと、親や親戚はなんとなく望んでいる。
子どもも、幼い頃からなんとなく意識をする

毎日の思考に影響すると、大学受験を考える頃に、医学部を選び「やすく」なる。
「医者になるよ」と言ったところで、反対する人も少ないだろう。

そうなると、逆のことも言える。
親がだらしなくて、子どもも金遣いが荒くなったり、大学や高校に行かなかったりしやすくなってしまう。
そんな環境に育った子に向かって、「お前の頑張りが悪い」「お前の頭が悪い」というように、100%自己責任で責めることはしてはいけない。
「何か環境や遺伝子による影響があったのかもしれない」と想像力を働かせてみるのがいい。

「これって、遺伝子なのか、環境なのか?」

そういう判断軸を持ってみよう。