洗練されたアイデアに欠かせないのは
肩の力を抜いた日常

 起床後すぐに白湯を飲み、ストレッチポールやボールを使ったストレッチをしたり、ピラティスをしたり、朝晩と湯船につかったり…こうした生活習慣のベースは東京時代から変わらないものの、鎌倉に移住して大きく変わったもののひとつに「睡眠」があるそうです。東京にいるときは3~4時間の睡眠でも充分でショートスリーパーだと思っていたのが、今は6時間ほど眠れて、起きたときの爽快さが違うといいます。

「今は自然からいただくものが多い。移住によって非日常と日常が逆転して、日常でリラックスできているからこそアイデアが湧き出ます」

 仕事をする上で意識しているのは、広く浅く、ジャンルを問わずなんにでも興味をもつこと。アンテナを張り巡らせ、時折上京する今は、目的をもって、見るものを取捨選択します。 

「第一線で活躍している方には、流行りのお店を知っているとか、感度が高い方が多いと思います。アンテナが高くないと、相手に対しての気づきも得られないですよね」

 日々の膨大なインプットをクライアントへの良質な提案に繋げる中、春頃には鎌倉の自邸を開放してオフラインでのサロン会を構想中とのこと。

「暮らしと人の満足度はリンクしていると思うのです。過疎化を防ぐ意味でも、どこでもハッピーに暮らせるんだということを思ってもらえるきっかけを作れたらなと思います」

ほどよいバランスを大切に
悪循環の断ち切り方を知っておく

 黒沢さんのお話をうかがっていて感じたのはシェアの精神。そして、ストイックさと優しさとの絶妙なバランス感でした。

「結局、すべてはバランスで…バランスの良い食生活をしていれば仕事を長く続けられるし、人にキレルこともないから人間関係も良くなりますよね」

 仕事が大変なときは食生活が乱れたり、イライラしやすくなったりするもの。とはいえ、「仕方がない」と思ってしまっては悪循環になるので、どういうときにリラックスできるか、自分なりの方法で悪循環の断ち切り方を知っておくことも大事だと話します。

「無理をし続けたら病気になっちゃいますよね。今は、副業を考えている人も多いと思うんですけど、“量より質”な仕事になるように自分で考える、組織のコマから脱出する方法を考えるって大切だと思います」

 仕事、生活、食。これらのバランスをうまくとって生きるのはそう簡単ではないですよね。でも、「実現不可能なことではない」と今回のインタビューで教えていただいたように思います。すべては「この先どうありたいか、どういう姿でありたいか」を考えることから始まるのかもしれません。