意志の弱い人は、自分で自分を律するのが難しいので、他人や制度に律してもらうと資産がたまりやすい。(経済評論家 塚崎公義)
意志の弱い人が多いのは間違いない
読者は、自分を意志の強い人間だと思っているだろうか。もしもそうであれば、禁煙にもダイエットにも成功し、夜更かしもせず健康的に暮らしているはずであるし、老後のための蓄えも順調に増えつつあるのだろう。素晴らしいことだ。
しかし、多くの読者はそれほど意志が強くないだろう。「食べる量を減らして運動をすれば痩せる」ということは誰でも知っている。それにもかかわらずダイエットの本が多数発行されているということは、ダイエットがいかに難しいかを物語っている(笑)。それと同じで、貯蓄も簡単なことではないのだ。
もっとも、自分を卑下する必要はない。人間の脳は目先のことを将来のことより大きく認識するので、「今の我慢の苦しさ」と「将来の素敵な自分の喜び」を比較して、どうしても前者を優先してしまうようにできているのだそうだ。つまり、ダイエットや貯蓄が難しいのは「神様が人間をそう作ったから」なのだ(笑)。