ここに1兆ドル、あそこに1兆ドルとばらまかれれば、すぐに膨大な額となる。ジョー・バイデン大統領が示した1兆9000億ドル(約200兆円)の新型コロナウイルス対策法案に対し、著名な左派系エコノミストからは激しい議論が噴出。あまりに大規模な金額のため、インフレ高進のリスクがあるとし、もっと生産的な他の支出計画が圧迫されかねないと警告した。クリントン政権で財務長官、オバマ政権で国家経済会議(NEC)委員長を務めたローレンス・サマーズ氏や、元国際通貨基金(IMF)チーフエコノミストのオリビエ・ブランシャール氏が表明した懸念は、完ぺきに筋の通った主張だ。何しろ、退任を控えた前大統領が9000億ドルの景気刺激策を成立させてからわずか数週間のタイミングだ。