先端技術開発で影薄い日本
人材育成と囲い込み競争で遅れ
世界中から優秀な研究者を呼び集めて開発を進める中国の「千人計画」のように、国力や産業競争力強化を狙って人材育成や優秀な人材を獲得する競争が主要国で展開されている。
だが日本はこの競争に大きく遅れ、その結果、論文数、とりわけ世界の研究者に引用される論文の数は米中だけでなく、欧州主要国などにも大きく水をあけられている。
21年度からの研究開発投資5カ年計画では投資額が増額されたが、それは当然として、先端科学や技術の研究が国家戦略として取り込まれている時代だ。人材育成と優秀な研究者の囲い込み戦略を急ぐ必要がある。
科学技術・イノベーション新計画
問題は「研究開発30兆円」の中身
1月20日に政府の総合イノベーション戦略推進会議で、21年度から5年間の科学技術・イノベーション基本計画(6期)が決定され、研究開発費の投資目標が30兆円とこれまでの第5期計画から4兆円積み増された。