セキュリティゲートが上がると……
そこはあなたの知らない「富裕層の世界」

 正門前の守衛が同乗者の名前を確認すると、外の世界とそのホテルとを“分断”していたセキュリティゲートがガチャリと上がった。車がその先にある玄関へ滑り込むと、ドアマンが恭しく出迎えてくれた。

 9月21日夜、東京・臨海副都心にひっそりと立つ完全会員制の高級ホテル「東京ベイコート倶楽部」で開かれたメンバー限定の極秘パーティに同行した。

 高級そうな調度品が飾られたロビーを抜け、早速、地下のパーティ会場へ向かったが、途中でホテルマンに呼び止められた。どうも記者の格好がドレスコードに引っかかってしまったようだ。受付でジャケットを借りて、何とか会場に足を踏み入れることを許された。

 照明が落とされた会場にはテーブルが13卓並んでいる。品のよい約100人の紳士淑女が席に着いており、それぞれのテーブルで話に花が咲いていた。

 参加者たちは、全米チャートをにぎわせたこともあるというジャズバンドの生演奏に耳を傾けながら、松茸と鮑とフォアグラのコラボや、黒毛和牛ロースのグリエなど、次々と運ばれてくるフランス料理に舌鼓を打っている。

 記者が案内されたテーブルには、同行させてくれた会社社長のほか、中年の男性と妙齢の女性のカップルと、20代前半とおぼしき女性2人が座っていた。女性1人に聞いたところ、「おじいさまが会社を経営していますの」とのこと。テーブルによって世代はバラバラだったが、大半は会社経営者や医師、弁護士やその家族だという。

 ホテルの最上階には、お台場の夜景を眼下に見下ろす豪華なスパや大型プール、ジムが完備されている。屋外プールでは大手通信会社の社長が盛大にバーベキューパーティを開いたといった逸話も漏れ聞こえる。

 パーティを楽しんだ参加者はそのままスパに行ったり、部屋でくつろいだりして週末の夜を優雅に過ごすという。

 部屋はもちろん全室スイート。会員権の価格(年間24泊タイプ)だけで最低でも1500万円。最高級スイートだと4000万円を超える。まさに選ばれた資産家だけが楽しむことを許された“異空間”といえる。