ファイザーの新型コロナウイルスワクチンが承認され、医療従事者への接種が始まる。ワクチン接種について、企業の担当者や社員はどのように考えて対応すべきか、産業医の視点からまとめてみた。(産業医、医学博士、日本ストレスチェック協会代表理事 武神健之)
ワクチン接種とともに
会社や従業員が考えるべきこと
約1年前からはじまった新型コロナ感染症の流行により、私たちの生活は大きく変わり、これが「新常態(ニューノーマル)」と呼ばれるようになりました。
Withマスクの生活は当たり前になりましたが、在宅勤務や出社要請、Go Toや自粛等々、新しい生活を前向きに捉えることができる人でも、自分の意にならないことによりストレスを溜めてしまっています。
そのような中、日本では医療従事者たちへの新型コロナワクチンの接種が2月17日にも開始されそうです。諸外国ではすでに接種が始まっていますが、新型コロナワクチンは、コロナ禍に対する世界のgame changerになるのでしょうか?臨床試験のいいデータや世の中の期待はあれど、実世界での実績はまださほどなく、効果は正直誰もわかりません。
ただ、そのような中、ワクチン接種とともに、会社、そして従業員が考えなければならないことを産業医の視点から整理してみました。私が日々の産業医業務の中で、実際に企業担当者や社員から頻回に聞かれるようになった質問と、それに対する回答をここにシェアします(※あくまで2021年2月16日現在、分かっている情報を元にした見解であることをご了承ください)。