文大統領とその側近は、北朝鮮と関係改善ができれば朝鮮半島は平和になるという。しかし、それはあくまでも「北朝鮮が平和を望むなら」という前提条件付きであり、北朝鮮がいつ平和を破るかで左右される「北朝鮮ペースの平和」である。

 文在寅政権はそれでも平和の幻想にとりつかれ、北朝鮮に対する防衛を怠り、南北対話の突破口を開こうとして、北朝鮮の言いなりになっている。

米韓合同軍事演習を
北朝鮮が中止させたい理由

 北朝鮮住民の生活は困窮を極めている。

 国連を中心とする対北朝鮮制裁で輸出ができず、外貨はサイバー攻撃による不法入手に頼っている。

 中国との貿易は新型コロナの防疫のための国境封鎖で昨年は8割減となった。特に昨年10月からはほぼ途絶えた状況である。また、昨夏の洪水で農作物にも多くの被害を受け、食糧確保が困難になっている。

 北朝鮮駐在のロシア大使によれば、最近では平壌でさえ生活必需品である小麦や砂糖の入手が困難になっているという。

 そのため金正恩総書記は今年1月、朝鮮労働党大会を開催し、その場で前回の経済計画の失敗を認めた。これは前例のないことである。

 そしてその場で新たな経済5カ年計画を作成した。しかし、自力更生による努力も進展は乏しく、2月には早くもその責任者ともいうべき経済部長が解任された。経済困窮に対する金正恩総書記の不満と焦りが極限に達しているということであろう。

 こうした中、金正恩総書記は韓国から資金を吸い上げる以外に道は残されていないと判断する可能性がある。したがって、韓国は北朝鮮の冒険主義を最も警戒しなければならない時に来ているであろう。韓国が北朝鮮から脅迫される日が来るかもしれない。