日経平均コロナ禍での日経平均3万円超えは、バブルだと見えても無理はない Photo:Bloomberg/gettyimages

日経平均3万円突破
今はバブル相場か

 筆者が資産運用に従事し始めたのは、日経平均株価が1989年末に3万8915円の史上最高値を付けた直後の1990年2月のことだ。入行3年目で銀行の運用部門へ配属となったのだが、まさにこの年にバブル崩壊が始まった。そして同年8月2日が、日経平均(終値ベース)が3万円を上回っていた最後の取引日となった。

 駆け出しの頃に見たきりだった3万円という株価水準を、今回、30年半ぶりに目にすることができた。株価上昇はコロナ後の景気回復を先取りしたものと考えるが、実体経済から乖離しているとの声も多い。日本経済新聞の報道によると、国内株型投信は1月末時点で10ヵ月連続の資金流出になったという。緊急事態宣言の最中だけに、今の株高が当時のバブル相場と重なって見えるのも無理はない。

 しかし、改めて当時と今の状況を比較すると、経済情勢は様変わりしている。構成銘柄の違いもあるが、今の3万円の株価は当時と異質なものと捉える必要があるだろう。いったい何が変わったのか。そして、株価はこれからどこへ向かうのか。