2万人をみてきた組織開発コンサルタント・勅使川原真衣氏の著書『組織の違和感 結局、リーダーは何を変えればいいのか?』が刊行。坂井風太氏も「革新性がある」と絶賛した同書の内容をもとに、抜粋・再構成して特別公開する。
抜け出せない「なんか変」の沼
職場で「あれ、変だな」と気づくことはありませんか?
会議の場で、数人がすっきりしない顔をしている。
理解を尋ねても、明確な返事がない。
笑顔は見せるものの、部下の本音がわからない。
でも、周りが平然としている中では、小さな違和感は表現できないものですよね。
ハラスメントへの意識も高まる今、優しい人こそ、この「なんか変」の沼にはまりがちです。
リーダーは疲れている
そもそも、リーダーは忙しいもの。
経営指南は絶えずされていますが、昨今は組織づくりについても、ああでもない、こうでもない、と盛んに言われますよね。
心理的安全性をなんとかしろ
ストレスチェック結果に沿った打ち手はどうなっている?
女性活躍の指標の達成はどうか?
中期経営計画があと2年だが目標まで……
ChatGPTをマスターしろ
とにかく1on1をせよ
─要は、変えろ、変われ。今のままではダメだ。世のコンサルだの(私もか!)、自称「できる/頭のいい」人代表である著名な経営者などは口を開けば、そう言います。
けれど、一体何をどう変えるべきなのか?
ただでさえ忙しいし、あれもこれも現状を違う・ダメなのだと否定されて、さらなる努力だ、「パワー!」と急き立てられても正直しんどい。
指示より先に「見る」ことが大事
そんな瀕死状態の中、まずやるべきことは「変える」ことではありません。
「見る」ことです。
これは、ただ単にぼーっと周りを眺めることではありません。能動的で知的な次の3つのステップから成り立つものです。
ステップ① 違和感に気づく
ステップ② 複数の解釈を当ててみる
ステップ③ 対話の糸口になる仮説を立てる
まずは、違和感に気づくこと。これがすべてのスタートになります。
違和感というのは意図せず感じ取ってしまうものであり、「ちょっと立ち止まって」という自分自身の経験則からのサインでもあります。「気づいてしまったもの」と言い換えてもよいでしょう。
そして次に、その違和感に対して複数の解釈を当てます。
「こういう考えだったんじゃないか」「もしかしたらこうかもしれない」というパターンを、できる限りたくさん考えてください。そうすることで、自分の解釈のパターンを超えてフラットな目で見る準備が整います。
そして最後に、対話の糸口となる仮説を立てます。
「あれ?」と思ったことを自分の解釈のまま表現するのではなく、「もしかしたらこうかもしれない」という解釈があったうえで、相手に伝えたときの反応を想像します。自分だけの「当たり前」で考えないのがコツ。
この観察がすべての土台となって、リーダーの振る舞いがメンバーに通じるようになるのです。
忙しいリーダーに、効果のあることだけ
発売5日で大重版!
その後たちまち、2万部突破!!
とっても売れてます!!!

「好き嫌い」や「やる気」、
「あうんの呼吸」に頼らず
組織を機能させるための具体策!
対話より先に、やるべきことがある。
「大丈夫です」のひとことでモヤッとしたとき、
待ちの姿勢ばかりの部下に自走してもらうにはどうしたらいいのか、
スタンドプレーが多い部下に「チームで仕事をしよう」と伝えるための効果的な伝え方は?……
ビジネスの現場に尽きないコミュニケーションの悩みを、「マネジメント」のスキルとして、「3段階」に分けて打ち手を授けるのが本書です。
まずは土台となる「観察」のスキルを紹介。ここでは、違和感に着目するというユニークな手法をとります。
そして、「自分を知る」「相手を知る」「組み合わせる」の3段階で、関係性から組織の最適解を導き出します。
自分と相手の「持ち味」を知り、
組織をつなぎ直すための一手を
この3段階を経て、違和感を乗り越えるための伝え方や振る舞い方を具体例とともに紹介します。
スキルといっても、難しいものではありません。「あれ、今なんか変だったな」という気づきを、手がかりにつかむこと。
さらに本書では、「持ち味」を知るためのいくつかの診断も掲載。すぐにチームに実装できるような作りにしています。
事前に特別な準備や学習はまったく不要。やるべきことが明確になり、現場のもやもやがクリアになります。
いつでも「今ここ」での気づきから組織を改善できる。行き詰まった状態を打開する新鮮な方策が詰まった、忙しいリーダーの支えになる一冊です。

本書の内容
はじめに
ギリギリな組織の頼みの綱は
人それぞれが「正しさ」を生きている
「持ち味」の組み合わせと「解釈」のクセ
第1章 違和感とは何か? ―― 「決めつけ」が横行する現場で
観察の達人!? コナンくん
仕事に本音はいらない
「なんか変な感じ……」の正体
人はみな「違う色のメガネ」をかけている
「職場のすれ違い」は決めつけから生まれる
とにかくみんな疲れている
すべてのコミュニケーションの基本となる「観察」の3ステップ
第2章 「自分を知る」 ―― 違和感に気づくと「自分」がわかる
自分の本音がわからない
変えられない性質は確かにある
手がかりは「どうしてもとりつくろえない瞬間」
「わかってほしかった」は「解釈のクセ」が生み出している
「自分が知らない自分」はスマホが教えてくれる
第3章 次に、「相手を知る」 ―― 人間関係の違和感から「相性」を知る
「伝える」の前に「見る」がある
「言わなくてもわかるでしょ」はマネジメントの怠慢
相手の何を「見る」のか? ―― ソーシャルスタイルの4類型
「他者の合理性」を知るヒント
「人それぞれ」では話が進まない
第4章 そのうえで、「組み合わせる」 ―― 違和感を役立て最高の組織をつくる
「今いるメンバー」で最高のチームをつくる
「好き嫌い」より「相性」を考える
それは「評価」ではなく「評判」です
「自分でやったほうが早い病」への処方せん
「似た者同士」がうまくいくとは限らない
職場は「ドレッシング状態」にならなくていい
個人と組織のサンドイッチ作戦
第5章 違和感を乗り越えるための話し方・振る舞い方
役割の実行を後押しする「面談」「相談」「雑談」「対話」
「大丈夫です」の複雑さ
「よかれと思って」が残念なワケ
待ちの姿勢ばかりの部下に「自走してほしい」と伝えたい
スタンドプレーが多い部下に「チームで仕事をしよう」と伝えたい
コミュ力が高い人の「真の使命」は、相手に合った手段を選ぶこと
危うい場面で役に立つ「否定しない技術」
会議時間を短縮すれば「生産性」が高まるのか?
「困っている人」は「決めつけていない人」
第6章 「いてくれてありがとね」から始める組織改革
「いい人材がいない」と嘆く人は組織の価値を見落としている
「重すぎない信頼関係」のススメ
「健全に疑う」のススメ
100点を取ってきた子どもに「偉いね」と言ってはいけない理由
100%わかり合うことは無理、それでも「訂正」し合うことはできる
「自分のまま働く」ために
解説 ―― 坂井風太