日経平均株価は2月15日に30年ぶりに3万円台を回復した。世界経済の回復、ゼロ%前後の金利水準、他の主要国の株価指標との比較などから見て現状では割高感は強くない。ただ、株高の根底にあるのは各国中央銀行の大量資金供給。その意味で景気が本格的に回復してきたときが相場の転機となるだろう。(ダイヤモンド編集部 竹田孝洋)
30年6カ月ぶりの3万円。2月15日、日経平均株価は前週末比564円高の3万0584円となり、終値ベースで1990年8月2日以来の3万円台を回復した。
新型コロナウイルスのワクチン接種の進展で世界経済の回復の期待が高まっている上に、企業決算で上方修正が相次いでいることも重なり、1月末以降、日経平均は2400円前後も上昇した。
急上昇故に、現状の水準はバブルなのか、妥当なのか気になるところだが、実は、90年8月は同年年初からの株価下落局面。株価水準が妥当性を検証するのなら、上昇局面と比較すべきだろう。日経平均が初めて終値で3万円を超えたのは88年12月27日である。
当時の日本経済はバブル景気のただ中だった。88年末時点で、株価水準の割高・割安を示す指標の一つである予想PER(株価収益率)は、日経平均ベースで50倍台だった。PERの逆数である益回り(1株当たりの利益を株価で割ったもの)は2%前後である。そして、当時の政策金利だった公定歩合は2.5%。長期金利の指標である10年国債利回りは5%前後だった。