「日本型雇用システム」が日本の女性をはじき出している

 それでは、なぜ企業は女子学生を厳しく「男性中心社会」に組み込もうとするのか。女子が男子より優秀ならば、その能力を生かした方がよさそうではないか。

 これには、「男尊女卑」の日本の文化、伝統だという指摘があるが、より重要なのは「日本型雇用システム」だ。

「日本型雇用システム」は、年功序列・終身雇用で組織の幹部を育成するシステムだ。このシステムでは、途中で結婚・出産で組織を離れる女性は幹部になれない。

 幹部になるには、継続して働き、年功を積んでいく必要があるからだ。一度組織を離れることは、組織の同世代の「出世争い」から離脱することを意味し、二度と復帰することはできない。ゆえに、途中で辞める可能性が高い女性には、入社時から重要な仕事は任せないということになってしまう。

 一方、女性の社会進出が進んだ欧米諸国などは、基本的に企業や官僚組織などで年功序列、終身雇用は採用されていない。新卒の一括採用はなく、組織が必要とする業務について人材を募集する。組織は、将来幹部になるかどうかは関係なく、その時その時の業績で人材を評価する。

 課長、部長から社長まで幹部も外部に公募されて決まる。内部昇格もあるが、その際も、外部から応募してきた人材と公平に審査されて、内部の人材が優秀と判断された場合である。

 欧米でも女性は結婚、出産で組織を離れることはあるが、キャリアアップのハンディになることは少ない。離職前の経歴をアピールして、いろいろな組織の幹部の公募に挑んでポジションを得ることができるのだ。

 だから世界の女性政治家、女性企業経営者・幹部、女性の学者には、パートナーを持ち、出産・子育てを経験している人が多い。「働き方改革」が遅々として進まず、いまだに結婚・出産がキャリアの墓場となる女性が多い日本とは大きな違いがある。