38万部超のベストセラー『餃子屋と高級フレンチ』シリーズでおなじみの著者・林 總氏の最新刊『たった10日で決算書がプロ並みに読めるようになる! 会計の教室』がダイヤモンド社から発売になりました。本連載では、同書の中から抜粋して決算書を読み解くために必要な基本の知識をお伝えしていきます。登場人物は、林教授と生徒の川村カノンの2人。知識ゼロから始めて、いかにして決算書を読み解くスキルを身につけていくのか? 川村カノンになったつもりで、本連載にお付き合いください。

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間接法なら、税引き後当期純利益と
現金収支差である営業キャッシュフローの差額がわかる

林教授 前回述べたように直接法がキャッシュフロー計算書の原則と考えるべきなのだが、実務では間接法の方が一般的だ。

カノン なぜですか?

林教授 その理由は2つある。税引き後当期純利益と現金収支差である営業キャッシュフローの差額が証明できることだ。

カノン それって、どんないいことがあるのですか?

林教授 いいことね。ボクは中小企業の経営者から「利益がでていても、税金を払うお金がないんです。計算が間違っているのでしょうか?」とよく聞かれる。

カノン 父も同じことを言っていました。経理部や会計事務所に不信感があるみたいです。

林教授 その不信感の原因は会計に対する無知なんだ。その差額が生じた原因を明快に証明してくれるのが、間接法によるキャッシュフロー計算書なのだ。

カノン そうなんですね。じゃあ2つ目の理由は?

林教授 大企業にとっては間接法のほうが計算が楽なんだ。連結子会社12を何十何百社も持っている会社が、すべての現金収支を集計するのは容易ではない。しかし、間接法なら貸借対照表があれば作成できる。

カノン うちの会社のような中小企業はどうですか?

林教授 中小企業なら現金収支は簡単に集計できる。だから直接法だけでなく間接法のキャッシュフロー計算書も作成すべきだ。

カノン そうなんですね。

林教授 利益が出たのにお金がない理由が一目でわかるようになる。雛形をお見せしよう。

カノン こんなふうになっているのですね。

林 總(はやし・あつむ)
公認会計士、税理士
明治大学専門職大学院 会計専門職研究科 特任教授
LEC会計大学院 客員教授
1974年中央大学商学部会計学科卒。同年公認会計士二次試験合格。外資系会計事務所、大手監査法人を経て1987年独立。以後、30年以上にわたり、国内外200社以上の企業に対して、管理会計システムの設計導入コンサルティング等を実施。2006年、LEC会計大学院 教授。2015年明治大学専門職大学院 会計専門職研究科 特任教授に就任。著書に、『餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?』『美容院と1000円カットでは、どちらが儲かるか?』『コハダは大トロより、なぜ儲かるのか?』『新版わかる! 管理会計』(以上、ダイヤモンド社)、『ドラッカーと会計の話をしよう』(KADOKAWA/中経出版)、『ドラッカーと生産性の話をしよう』(KADOKAWA)、『正しい家計管理』(WAVE出版)などがある。