有力農家から選ばれなければ、農協の未来はない。ダイヤモンド編集部が作成した「JA支持率ランキング」上位の農協は、過去の慣習にとらわれず、農家目線で改革を実行していた。農家から支持を得た農協と、農家に見放された農協の実力格差をデータで浮き彫りにする。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)

首位は2年連続兵庫・JAたじま
石川県、東北勢が上位独占

「JA支持率ランキング」を今年もお届けする。このランキングは、「毎年3月になると組合長が、『今年はうちの農協は何位だろうか』とそわそわし始め、『週刊ダイヤモンド』の農業特集が発売されると職員を書店に買いに走らせる」(農協職員)というぐらいJAグループから注目されているものだ。

 注目される理由は、このランキングが農家からの支持度と経営健全度の両方を加味しており、農協の実力をダイレクトに反映しているといえるからだ。

 ランキングの評価基準は、農協が存続するための二つの必須条件である、(1)有力農家からの支持の有無、(2)大幅減益が避けられない金融事業に依存せず、農業関連事業でしっかり稼げているか――を重視して設定した。

 (1)を評価するために、ダイヤモンド編集部による「担い手農家アンケート」で得た農家1763人の回答を基に、農協ごとの「支持度偏差値」を割り出した。農協の「農産物の販売力」や、「役員に担い手農家を登用しているか」などへの農家の満足度を表している。

 また、(2)を見る指標として、「農業関連事業の収益性」や「自己資本比率」といった財務データから「経営健全度」を算出した。

 これら支持度偏差値と経営健全度を合わせた「総合偏差値」で順位を付けたのがJA支持率ランキングだ。

 それでは、トップ30の有望農協を見ていこう。

支持率ランキング30
〈ランキング作成方法と見方〉
対象は、ダイヤモンド編集部の「担い手農家アンケート」で5人以上の回答があった農協で、かつ2019年度の財務データがそろった全国107農協。下記の指標を基に数値を標準化して総合偏差値を算出し、ランク付けした。順位は小数第2位以下も加味している。
●総合偏差値:JA支持率、組合員評価、改革実感度、役員選出改革度、担い手登用度、経営健全度の6指標を偏差値化して平均した。ただし、役員選出改革度と担い手登用度は0.5を乗じている。
●支持度偏差値:上記のうち、経営健全度を除く5指標を基にした平均偏差値。
●経営健全度:全国504農協を対象に、各農協の19年度財務データを基に算出した。100点満点で値が高いほど財務や経営の健全性が高い。

 首位は、前回に続き兵庫県のJAたじまだった。

 米価が低迷している昨今、全国のコメ農家はJAたじまの組合員をうらやましく思うことだろう。