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ソーシャルディスラプト最前線

スタートアップ業界の重鎮マイケル・アーリントン インタビュー「日本のスタートアップよ。革命を起こしに私のところに来ないか?」

岡本彰彦 [Recruit Strategic Partners, Inc. 代表]
【第2回】 2012年10月18日
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もはやディスラプトではなく、革命であり、
創造的破壊であるべきだ

Startup Battlefieldで準優勝となった「C-1」。
都市交通領域に創造的破壊を起こせるか?

岡本 準優勝したLit Motorsの2輪車なのに倒れないというシティコミューター「C-1」は、どう評価しているのか。これはほかの最終審査に残ったスタートアップのサービスとはまったく違ったものだ。正直、我々にとっては「ジャイロを搭載していて、倒れないというだけじゃないか」という気もするのだが……。

アーリントン 「C-1」は素晴らしいよ。時速120マイルで走り、高速道路も走れる電動のバイクに、耐天候加工をしたシェルを被せ、通勤・通学者が興味をもつような乗り物にしている。通勤・通学者がバイクを使わないのは、悪天候に対応できないことと、安全性の低さが問題になるからだ。「C-1」はボルボに比べたら安全ではないかもしれないが、バイクよりはずっと安全だ。そのうえ、駐車しやすく経済的。多くの通勤・通学者が「C-1」を欲しがると思う。価格については我々は2万5000ドルか3万ドルくらいが妥当だと思っている。

岡本 新品のスクーターは5000ドルくらいで手に入るが(笑)。

アーリントン 速く走りたくないのであれば、スクーターのほうが魅力的かもしれない。しかし本体はともかく、このバランスをとるテクノロジーにはサードパーティの企業が興味をもつだろう。そしてこのテクノロジーは車やバイクに搭載されるかもしれない。そうなれば、彼らはその技術ライセンスで稼ぐことができるかもしれない。実際にはどうかわからないが、その点でも興味をもっている。

岡本 たしかに、ライセンスで、というのは興味深い。

アーリントン 私も、初めはなぜ三つ目のタイヤをつけない、そうすれば倒れないじゃないか、と思った。だが、三つ目のタイヤをつけるのではなく、バランスをとるためにジャイロを使ったのはクールだよ。この「クール」というのは、ビジネスを勝ちとるのに重要だ。

 スタートアップに投資しているベンチャーキャピタル、Yコンビネーターの創設者のポール・グレアムはブログに、「スタートアップには爆発的な成長が必要だ」と書いていた。しかし私は、スタートアップやその商品が興味深いものになるのは、それに創造性があるときだと思う。

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岡本彰彦
[Recruit Strategic Partners, Inc. 代表]

株式会社リクルートの投資会社であるリクルートストラテジックパートナーズの代表取締役として、コーポレートベンチャーキャピタルファンドを活用し、日本のみならず、北米、東南アジアをはじめとしたグローバルな投資·事業開発活動を推進する。現職就任以前は、銀行、ベンチャーキャピタル、証券会社などでストラクチャード·ファイナンスや新事業開発に従事した後、2007年にリクルートに入社し、主に同社住宅カンパニーにおける事業開発の責任者とブランドマネジャーを担当。

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