写真:文在寅大統領Photo:Handout/gettyimages

首尾一貫していない
文大統領の慰安婦発言

 文在寅大統領は米朝関係改善を模索する一環として、米国が期待する日韓関係改善を演出し、バイデン政権に取り入ろうとしている。

 1月18日の年頭記者会見では、慰安婦裁判の判決について「正直困惑している」と述べ、2015年の慰安婦合意が公式合意であったことを認めた。そして「(合意を土台にして)ハルモニ(おばあさん)たちも同意できる解決方法を探っていけるよう、韓日間で協議していく」と述べた。

 そもそも慰安婦問題はこの合意で、最終的かつ不可逆的に解決済みであり、文大統領の発言は日本が受け入れられる内容ではない。しかし、文大統領にとっては、市民団体を敵に回さないギリギリの歩み寄りであろう。

 文大統領の発言が日韓関係を本質的に改善しようとする意図でないことは、その後の発言からもうかがえる。