現代人の脳には“毒”が溜まっている!
無意識に溜まった脳の“毒”を出して
脳がみるみる若返る食事法を紹介する

脳の若返りと認知症治療の専門医・白澤卓二医師が提案する衝撃の最新刊『脳の毒を出す食事』では、現代人の脳に溜まった毒を出し、脳の機能を上げる食事法を紹介している。
現在、認知症患者数は増加の一途。その発症を避けるには、40代からの脳のケアが大切だと著者はいう。本書では世界最新の医学で明らかになった認知症予防・改善策と、その研究からわかった脳のパフォーマンスを上げるために必要な食事を提案する。

認知症研究30年超の私が、玄米生活を続けている理由Photo:Adobe Stock

1日50グラムの玄米生活を続けています

第17回でも書いたようにコンビニおにぎり1個で、私たちの体が処理できる糖質の2日分以上をとってしまうのですから、脳に毒を入れないためには、糖質の主食でお腹を満たすというこれまでの常識を見直さなくてはなりません。

そこで私は白米を玄米に替え、1日50グラム程度を食べるようにして、患者さんにも同じ食べ方をすすめています。炊いた玄米50グラムにはおよそ18グラムの糖質が含まれていますので、厳密には許容量オーバーなのですが、米を減らしすぎることで強いストレスを感じればそれもインスリン抵抗性を招く要因になるので、これくらいが妥当だと考えています。

玄米には、現代人に不足している亜鉛も、骨を作る材料となるカルシウムも、高血圧を招くナトリウムを排出するカリウムも、白米より多く含まれています。食物繊維も豊富なため、よく噛まないと飲み込めないというメリットもあります。なぜそれがメリットかというと、よく噛むことは認知機能を高め、唾液の分泌を促して消化をよくすることにもつながるからです。

ただし、ひとつだけ注意点があります。玄米は収穫した米粒からもみ殻を取り除いたものです。玄米に残っている茶色い薄皮(ぬか層)には農薬が残留している心配があります。玄米を食べるなら、できるだけ無農薬栽培、もしくは減農薬栽培したものを選んでください。

本原稿は、白澤卓二著『脳の毒を出す食事』からの抜粋です。この本では、認知症など脳の機能不全の原因となる、現代人の脳に溜まった”毒”を出して究極の健康体になる食事法の提案と、実生活で使える7日間実践レシピを掲載しています。脳と体を健康にし、本当の意味での健康長寿を目指してみませんか?(次回へ続く)

監修 お茶の水健康長寿クリニック院長 白澤卓二先生
1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大学院医学研究科博士課程修了。現在、お茶の水健康長寿クリニック院長。
認知症研究30年超の私が、玄米生活を続けている理由

白澤卓二(しらさわ・たくじ)
医師、医学博士
1958年神奈川県生まれ。1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大学院医学研究科博士課程修了。東京都老人総合研究所病理部門研究員、同神経生理部門室長、分子老化研究グループリーダー、老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーを経て、2007年より2015年まで順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座教授。2017年よりお茶の水健康長寿クリニック院長、2020年より千葉大学予防医学講座客員教授就任。日本ファンクショナルダイエット協会理事長、日本アンチエイジングフード協会理事長、アンチエイジングサイエンスCEOも務める。
専門は寿命制御遺伝子の分子遺伝学、アルツハイマー病の分子生物学、アスリートの遺伝子研究。