修学支援センターとしても活用されている神奈川県私学会館(横浜市神奈川区)

聖光学院中学校・高等学校の工藤誠一校長は、神奈川県私立中学校高等学校協会の理事長も務めている。私立校同士はライバルでもあるが、互いに協同すべきところはネットワークを組みながら進んでいこうと、「個の独立、群の創造」を説いている。(ダイヤモンド社教育情報、撮影/平野晋子)

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工藤誠一(くどう・せいいち)聖光学院中学校・高等学校校長

聖光学院中学校・高等学校校長。学校法人聖マリア学園理事長。神奈川県私立中学高等学校連合会理事長。1955年横浜生まれ。聖光学院中学校・高等学校(第11期)卒業後、明治大学法学部と政治経済学部を経て同大学院政治経済学研究科修了(政治経済学修士課程単位取得修了)。母校で社会科の教鞭をとるかたわら、38歳から6年間、事務長も兼務。2004年、日本人として初の校長に就任。一昨年から、同じ学校法人のさゆり幼稚園の園長も兼務している。

新型コロナ対応も私学協会で

森上展安・森上教育研究所代表
[聞き手] 森上展安・森上教育研究所代表
1953年岡山生まれ。早稲田大学法学部卒。学習塾「ぶQ」の塾長を経て、1988年森上教育研究所を設立。40年にわたり中学受験を見つめてきた第一人者。父母向けセミナー「わが子が伸びる親の『技』研究会」を主宰している。

――先生は神奈川県の私立中学校高等学校協会の理事長もされていますね。

工藤 今年の入試は新型コロナ対応が協会にとっても大きな課題でした。具合の悪い受験生が出た時に備えて本校でも教室を用意しましたが、使用した受験生は一人もいなかった。濃厚接触者も、新型コロナで受けられませんという受験生も、一人もいなかった。今、協会で今年度の入試についてアンケートを取っていますが、対応を求められたのは、数校にとどまりました。

――すると、追試の必要性はどうなのでしょうか。

工藤 はい。ただ、2022年入試でも同様の事態が起きるかもしれません。高校の場合は、追試になっても調査書などの提出されている書類とか、それを活用して選抜もできます。ところが、中学入試では、出身小学校から書類を提出することはしていません。今年の動向が大体つかめたので、各校の負担を減らすことも考えて、追試は協会でやってもいいかなと。

――それはいい考えです。

工藤 インフルエンザの場合は、別室で受験することが可能な場合もあります。ところが、新型コロナの場合は受けるなと学校が言っている。だとすると、受験料は返さなければならない。また、教育の世界では、“かわいそう”っていう意見がすごく大事にされますから、今年は多くの学校が対応を求められ、追試を行った学校と行わなかった学校に分かれました。しかし、実際にはいるのかいないのか分からないくらい少ない対象者に、神奈川の私学、中学入試を行っている60校が右往左往することは避けたいです。

――入試問題は学校が作って、協会で実施するということですか。

工藤 追試の問題は協会で作成する方向で考えています。協会の追試に参加するか、独自で行うかはもちろん各私学の自由です。合否については受験生の答案をもとに各校が合否を決定すればよいと思います。今の時代は、私学それぞれの独自性を生かしながら、ネットワークを組んでやって行くことが大切です。