勉強を始める前の1分で、
勉強の成果が変わる!

「記憶力が悪いから覚えられない」
「頭が悪いから勉強ができない」
「頑張りが足りないから成績が上がらない」

 塾の生徒たちを見ていると、そんなふうに思い込んでいる子どもがたくさんいます。

 保護者の方たちも同じです。もしかしたら、この本を手に取っているみなさんの中にも、同じように思っている人がいるかもしれません。

 でも、違うのです。

 そう思い込ませているのは自分自身です。どんな人も脳の重さはほぼ一緒。つまり、頭の良し悪しに本来大きな個体差はないのです。

 たとえば、自分の家の電話番号や携帯電話の番号を頭に思い浮かべてください。ほとんどの人がちゃんと覚えていて、そらで言えるのではないでしょうか。それが覚えられるなら、記憶する力があるということです。「できない」と決めているのは、これまでの失敗体験や周囲の声にとらわれているから。そのようなマイナス思考を、瞬読は一瞬でプラスに変えてくれます。

「できない」と思っている人にこそ、おすすめの秘策があります。

本書では、第3章に瞬読の実践トレーニングを用意しています。まずはこのトレーニングを1日1分間、勉強の前にやってみてください。

 勉強だけでなく、どんな物事もそうですが、始める前には「準備運動」が効果的です。体育の授業の前には必ず体操をしますよね。体が温まり、動かしやすくなります。

 それと同じで、勉強に入る前に1分間トレーニングをすると、脳が温まり、勉強の成果が変わってきます。

 1分間、時間を区切って集中する。

 朝起きたら歯を磨くのと同じように、これをルーティンにしてみてください。たった1分間のトレーニングが勉強へのはずみとなり、頭がよくなります。

 勉強においては、瞬読ほど最適な準備運動はないと言っても過言ではありません。

 時間を区切り、瞬間的に読む瞬読の技術は、時間の質と効率を劇的に上げます。

 普段読んでいるスピードの2倍で本を読むことなら、すぐにできます。2倍ができたらその倍、最初の速度の4倍の速度で読むことも可能になります。

 これを勉強に取り入れれば、60分の勉強が15分で終わるのです。

 言い換えれば、その15分は、60分に相当する密度の濃い時間です。その短時間で大量の情報を覚えることができ、右脳が働くことによってあらゆる力が引き出されます。使える時間も、できることの可能性も無限大に広がります。

 本書の構成は次の通りです。

 第1章は、勉強に瞬読を取り入れることで、勉強での成果があがる秘訣を紹介しています。

 第2章は、成績を確実に上げていくために必要な7つのルールを紹介。ルール通りにやらなくても、瞬読のトレーニングで自然に身につくものばかりです。

 第3章は、瞬読のトレーニングです。全部で5種類、76問。始めから全問1分でできる人はなかなかいないと思いますが、ぜひ挑戦してみてください。すぐやりたい方は、79ページの「瞬読のトレーニングを始める前に気をつけること」を読んでから始めましょう。

 大事なのは「1分間、集中して行う」ことです。トレーニングを続けていくとわかることですが、情報を面で捉えようとする、常にイメージする、自分の言葉で置き換える、情報の処理速度がアップする、パッと見てパッと答える習慣が身につく……など、すべての勉強において役に立つ能力が備わります。普段の勉強の前に1分やることで、この状態のまま勉強に向かえるので、抜群に効率がよくなるのです。

 第4章は、瞬読で得られる効果とは別の問題で、勉強に「手がつかない」「続けられない」という人に効く7つの魔法の質問を紹介しています。

 瞬読式勉強法で、ぜひみなさんの内なる能力を開花させてください。