「とにかく合格したい!」「成績を上げたい!」と目標を持って勉強に励んでいても、こんな悩みにぶつかるでしょう。「続かない!」。どんなにいいやり方を手に入れたとしても、続かなければ意味がありません。勉強とは「すべり台」です。勉強ができる人は階段をささっと駆け上がって、一気にすべるイメージを持っています。それが「学びの自動化」です。すべり台に「すべって楽しむおもしろさ」と「勝手に進むラクラク」があるように、勉強も始めたら止まらなくなるのです。
『偏差値95の勉強法 頭のいい人が知っている「学びを自動化する技術」』には、「没頭力(自らのめり込む)」「論理力(文脈で考えられる)」「記憶力(つながりで覚えられる)」が同時に手に入る勉強法を収録。さらに「没頭力」を発揮することで、「最短で結果が出る」「1日が27時間になる」「努力を努力と思わなくなる」のです。勉強にハマる要素は、たくさんあります。学びの楽しさを実感し、目標を達成できる勉強法を手に入れてください。
歩きながら覚えるほうが
暗記効率は上がる
外を歩くと、脳が活性化すると連載第11回でお話ししました。
歩くこと自体が脳血流を促すのですから、外だけではなく、部屋のなかを歩いてもメリットがあるということになります。
けれども、実際には部屋のなかを歩きながら勉強している人はほとんどいないでしょう。
おそらく99.99%の人が机に向かって勉強していると思います。
かの有名な物理学者アインシュタインは、歩いてひらめきを得たといわれています。学生と議論しながら丘を登り、議論が核心に迫ったところで突然立ち止まって計算を始め、「一般相対性理論」のヒントをつかんだそうです。
そんなアインシュタインにならって名付けた「アインシュタイン法」で、まずは机から離れ、部屋のなかを歩いて勉強をしてみましょう。
部屋のなかを歩くと、どれくらい効果があるのでしょうか?
これは、あくまで私が自分の元受講生たち10人に協力してもらった実験の結果ですが、一度も習ったことのないロシア語を、30分間座りながら覚えてもらいました。その後、覚えるワードを変えて30分間歩きながら覚えてもらったところ、歩きながら覚えたほうの暗記効率が上でした。
科学的な面からも、座ったままでいると筋肉が動かないため、脳も働かなくなってしまうと言われています。机に向かっていて、飽きてきてしまった、モチベーションが下がってきたと感じたら、立ち上がって部屋のなかを歩いてみてください。筋肉が動いて脳が活性化し、没頭力が戻ってきます。
この方法は、座って勉強していて眠くなってしまったときにも効果があります。歩くことで、眠気が吹き飛びます。
ある進学校では、教室の壁4面にホワイトボードがあるという話を聞いたことがあります。勉強する場所を固定せず、複数の環境をキープして移動しながら勉強するほうが、効率はアップします。
私も、部屋の壁にホワイトボードを貼り、立って数学を解いたり、部屋の四隅に暗記したい項目を貼って、そこに移動して覚えたりしていました。
とくに暗記ものは歩きながら音読すると、より記憶に定着するので、このやり方で暗記効率がかなり上がりました。
今は自分の受講生にも同じようにやらせていますが、成績アップにつながっています。部屋のなかをウロウロ歩き回っている姿はおかしいかもしれませんが、家族くらいにしか見られていません。どんどん歩いて記憶の量を増やしてしまいましょう。