2012年の夏季オリンピック・ロンドン大会では、約7万人のボランティアがバレーボールの試合中に床の汗をモップで拭き取ったり、競技後のドーピング検査に選手を誘導したりと、数えきれないほどの業務を担った。「誘導係の一人は、ウサイン・ボルト選手が排尿するまで2時間、ただ隣に座っていなければならなかった」。元英陸軍大佐で、ロンドン大会のボランティア・プログラムを統括したフィル・シャーウッド氏はこう話した。東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の広報担当者によると、7月23日に1年遅れで開幕する予定の東京大会には約8万人のボランティアが参加する。しかし主催者は、新型コロナウイルス流行中にボランティアを安全に職務に組み込む方法について、ほとんど何も説明していない。