コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、2021年1〜2月度の百貨店編だ。
百貨店、2月の業績が「急回復」したかに見えるワケ
百貨店の主要4社が発表した2021年1〜2月度の月次業績データは、以下の結果となった。
○三越伊勢丹の既存店売上高
1月度:前年同月比69.4%(30.6%減)
2月度:同95.2%(4.8%減)
○高島屋の国内百貨店売上高
1月度:前年同月比74.4%(25.6%減)
2月度:同97.0%(3.0%減)
○大丸松坂屋(J.フロント リテイリング)の百貨店事業合計売上高
1月度:前年同月比65.3%(34.7%減)
2月度:同89.4%(10.6%減)
○阪急阪神百貨店(エイチ・ツー・オー リテイリング)の既存店売上高
1月度:前年同月比70.6%(29.4%減)
2月度:同88.3%(11.7%減)
今回取り上げている4社とも、1〜2月を通して前年実績を越えることはできなかった。しかし、1月と2月を比較すると全ての企業で前年同月比の月次業績データが大きく改善しており、回復基調に見える。特に、4社の中で2月度の数字が最も良い高島屋は、1月度の実績(69.4%)から22.6ポイントも改善している。一体、なぜだろうか。